Thursday, June 30, 2016

#038 The Roots of Film: "Eraserhead" (1977) David Lynch


Here we are, our precious listeners! This is the 38th episode talking about....:
- The Episode Topics:
00:00 Intro / Greeting / Rubbish
04:20 Rubbish
05:06 The Roots of Film: "Eraserhead" (1977) David Lynch / Rubbish
21:54 Ending / An announcement of Mr. Potatohead (live-action ver.)'s new segment next episode / Rubbish
- Coming in the next episode:
Mr. Potatohead (live-action ver.)'s new segment* 
(*Title: TBA)

Thanks for listening!
Rook Pictures Entertainment 
RM / AK

Copyright © Rook Pictures Entertainment. All rights reserved.

Friday, June 17, 2016

#037 Minonaranaiki Returns

"Minonaranaiki listeners, after a looooong, so long vacant, finally, we're back.....!
Although, definitely no comments on what took us so long. Kept you waiting huh?"
- The Episode Topics:
00:00 Intro / Greeting / Rubbish
01:30 Disapproving from RM to Mr. Potato Head (real one)'s talking skill / Rubbish
02:30 Mr. Potato Head (real one)'s confession / Rubbish
04:37 Critical discussion about Japanese film/TV industry / Rubbish
19:30 Ending / Mr. Potato Head (real one)'s favorite film / Rubbish
- Coming in the next episode:
The Roots of Film: "Eraserhead" (1977) David Lynch

Thanks for listening!
Rook Pictures Entertainment 
RM / AK

Copyright © Rook Pictures Entertainment. All rights reserved.

Thursday, June 2, 2016

シネマノネ/001: I AM A HERO / アイアムアヒーロー

2015年日本
原題 = I AM A HERO / アイアムアヒーロー
邦題 = I AM A HERO / アイアムアヒーロー
監督 = 佐藤信介
出演 = 大泉洋、片瀬那奈、有村架純、長澤まさみ
(127 min)
(R15+)
予告 =
 

Goods:
  1. Zombieのデザイン
  2. 遠慮のないGore(ゴア)描写
  3. 血の量
Bads:
  1. 性急で説得力を欠くストーリー展開
  2. (うんざり系作品にお馴染みの)説明的なセリフ
  3. Twistの無いプロット
  4. 新鮮味の無いキャスト
  5. 歴代有名Zombie作品への目配せのようなオマージュ
邦画の劇場鑑賞はずいぶん久しぶりだったので一抹の不安を抱きながら、しかしみんな大好きZombie映画!なのだから観ないわけにもいかないというアンビバレントな感情を交錯させた引きつった顔で鑑賞。
結論から言うと、振りきれたGore描写などの見どころはそれなりにあるものの、その「一抹の不安」は的中してしまい、鑑賞前に方方からざわざわと聞こえていた「なかなか良い出来らしい」という前評判から来る高めの期待値は超えてこない非常に惜しい残念な仕上がりでした。

もちろん惜しい、というのは、Zombieファンにグッとくる良い部分もあったから。

例えば、このテの作品で最も明暗を分けるキモ要素の一つであるZombieのデザイン。
主人公の鈴木英雄(大泉洋)と同棲中だが絶賛マンネリ中の彼女 黒川徹子/akaてっこ(片瀬那奈)が作中で全身を見せるZombie(作中では"ZQN/ゾキュン"と呼ぶ)第1号として登場(変異)するのだが、この登場シーケンスのおぞましさたるや、劇場内の女子たちがもれなく顔をしかめて眼を大きく背けるほど。この作品をデートに選んだ彼氏は後でキツく怒られたんじゃない?

Zombie映画はZombie映画の父ことジョージ・A・ロメロが「ベースルール」を作り、その後あらゆる作り手によって楽しくマイナーチェンジされてきた。
基本は、死者が後にZombieに変異する・変異後は生者を襲う・生者もZombieに噛まれると一定時間後に変異してしまう・一度変異すると頭部を破壊されない限り動き続ける…など。
ここに例えば、Umberto Lenti(ウンベルト・レンツィ)監督の『Nightmare City/ナイトメア・シティ』(1980) やDanny Boyle(ダニー・ボイル)監督の『28 Days Later.../28日後』(2002)では、それまでの脚を引きずってぎこちなくズルズルと近寄ってくるZombieをやめ、猛ダッシュするZombieという新たな愛すべき要素を追加し、恐ろしさの種類をじわりと迫り来る恐怖から、ギャー!という突発的恐怖へ見事に変貌させたりした。(この俊敏なZombieの動きは近年好まれる細かなカット割りとの相性も良かった為に新トレンドとして定着した)

本作のZQNもこれらと同じくダッシュ系に属すのだが、「造形」と「動き」両方のデザインで一線を画している。
まず「造形」。
死後埋葬されて地中から這い上がって来たZombieなどの、死後長い時間が経って変異したボロボロの「腐敗系Zombie」とは異なり、感染から変異までの時間が短い本作のZQNは生前の顔の原形をかなり留めている。
先ほどまで目の前にいた人物の見慣れた顔が今や、うっ血のせいか異常にムクみ、首の血管はどす黒く盛り上がり、変色した視点の合わない眼がそれぞれ別の方向をギョロギョロとあてもなく蠢いている…。
腕がモゲている訳でも、肉が削げているわけでも腹に大きな穴が開いている訳でもない。そんな、似てるけど何か違う!という大幅に変更しない気味の悪い見た目が、返ってよく知っている人間が今はもう別の何かになってしまった…という途方も無い絶望と強烈な拒絶を引き起こす。

そして「動き」はこうだ。
昨晩の喧嘩の末に家を追い出された英雄の元にてっこから電話が掛かる。喧嘩のことを反省したのか謝っているが、どうも体調が悪そうだ。心配する英雄だが、電話が切れてしまった。急いで家に向かい、ドアを叩くが返事無い。ドアの郵便受けから部屋を覗くと昼間なのにカーテンを閉めきった部屋のベッドにてっこが力なく横たわっている。声をかけると苦しそうに呻いている。何かが可怪しい。てっこはまた呻き声を上げ、突然ムクリと起き上がったかと思うとそのままバタリと床に倒れ落ちて仄暗い影の中に姿を消してしまった。戸惑う英雄が必死にてっこの姿を捉えよう目を凝らして郵便受けの隙間に顔を近づけたその時…。
状況を把握できずパニックになる英雄に、既に異型と化したZQNてっこは室内を文字通りのた打ち回りながらバタバタと襲いかかる。床を転がり腕と脚で身体をイビツに持ち上げ、首はあらぬ方向を向いていている。腰が抜け、後ずさりする英雄がてっこに掴みかかられそうになり咄嗟に押し当てたドアを、形相を変えたてっこがガリガリと音を立てて噛り抵抗する。英雄の眼前で愛するてっこの歯がバキバキと音を立てて折れていく…。
って!気持ち悪いよ!悪趣味にも程があるぞ!!ありがとう!!

このあまりにまがまがしい「造形」と「動き」を見せるZQNてっこ襲撃シーケンスによって、本作はパニック映画というよりは、ホラーとしてのZombie映画だということが高らかに宣言されている。世界の変態ファンが狂喜するジャパニーズ・ホラーを産んだ本国ならではの嫌らしい味付けがZombieを素材としていかんなく発揮され、上手い(美味い)融合を魅せているのだ。

このギョッとするシーンが序盤に用意されている事でこの先、どれほどエゲツナイ展開になるのかと嬉々として次のシーンを期待してしまう素晴らしい「ツカミ」の部分でした。

と、ここまでが本作の良い部分。
そして、本作はその後、観客の期待を緩やかに下回りながら物語を進めていく。

コミック(花沢健吾・小学館)の映画化(また??!)の本作は、良くも悪くも原作のレールを大きく逸脱せずに進む必要がある為、一直線にゴールに向かっていく感じがあるし、それを127分に収める為に肝心の動機の説明が不十分なまま「そういう物ですから」と半ば強制的に次の展開に進む性急なストーリー展開は、台本ありきの「お芝居」を見ているとしか思えない。映画を見ていて台本の存在が意識されてしまうほど冷めることはない。

特に気になったのが、てっこ襲撃から辛がら逃げてきた英雄が、ZQNだらけで阿鼻叫喚の惨劇が繰り広げられる街の中を必死で逃げるシーンの途中で遭遇する女子高生 早狩比呂美(有村架純)との関係性の部分。
自分の身も守れるかどうかという「一寸先は死」の状況において、なぜか英雄が彼女を命がけで守るという「エスコートミッション」に移行するのだが、この動機付けが不十分な為、なぜ英雄はそれほど比呂美を守る事に固執するのかが分からないのだ。
英雄が、てっこの身に起きた事に責任を感じ、比呂美の中にてっこの影を見て「今度は必ず守ってみせる!」と決心する。などの描写があれば良かったが、それもない。ちなみに、(それどころか)この後英雄は一度も(!)てっこの事を思い出すことも無い。
肝心の部分を詳しく説明されないままズンズン物語を進められるから、観客は「いや、原作がそういう設定なんですもの」と言い訳されているように感じてしまい、無理やり設定を飲み込まざるを得なくなる。
それでもその後比呂美ちゃん大活躍!となり「ああ無理やり飲み込んだ甲斐があった!」と思わせてくれるのかと期待するのだが、残念ながらそうはならない。半感染状態によって半ZQN半人間となった比呂美はせっかく超人的な怪力を手に入れるのに、後半には全くそのパワーを発揮してくれず、助けた恩を一切返してくれない為、ストーリーラインからこぼれて文字通りのお荷物になってしまうのだ。もったいない!

その他には、近年の特に邦画に本当ーによくみられる「人物の感情をセリフで直接的に説明してしまう問題」がある。
今はアシスタントとしてくすぶっている英雄が一昔前に自分の漫画で獲得した新人賞のトロフィーを眺めて「…あれからもう〜年かぁ…」と声に出して言ったり、ZQNから逃れ一時の休息中に隣りで眠る比呂美の口元・胸元を間近で見て思わず欲情しそうになる英雄が「…イカンイカン!」と心の声を本当に声に出して言ってしまったり。(英雄の心の声だけど観客には音声で聞こえる)
それらはボディーブローの様に徐々に見てる者の興ざめを誘い、ますますカメラの後ろにあるであろう台本に書かれている「字面」を感じてしまうのだ。
この問題は本作に限った事ではないのだが、これではコミックという文字メディアを映画という映像メディアにわざわざ置き換えている意味が無い。本当に根深い悪しき問題だ。

では、そこまで説明的なセリフで人々に "優しい" 演出を施す必要があるほど込み入った複雑なストーリーなのか、と言うと全くそうではない。
突如人々がZQN化する事態に見舞われる→逃げる→自分を守りながら人を助ける→終わり
という非常に単純な一直線のストーリーで、英雄が一度も本当にもうだめだ!と思うような絶体絶命の大ピンチには決して陥らず、時々訪れる小ピンチを危なげなくキッチリと解決してしまう。だから一度もハラハラすることなく「めでたしめでたし」と言わても全く達成感は得られないわけです。


Zombie映画というジャンルは、そもそも決して万人に向けられたものではなく、大手制作の広く観客に受け入れられることを目指したブロックバスター作品とはハッキリ決別することで、規格外のイビツな突き抜けた表現が出来ることが最大の利点だろう。さらに多くのZombie作品がそうであるように、本作もR-15に指定されている。つまり最初からターゲットの観客層を「良し悪しの判別のつく人」をターゲットしているのだから、お話の筋としてももう少し大人の鑑賞にも耐えるTwistを用意して欲しかった。

苦言ついでに、あまり目新しさのない平板なキャストが目立った点にも言及したい。
女子高生の比呂美(有村架純・23歳・公開時)が英雄(大泉洋・43歳・公開時)に向かって「お兄さん」と呼ぶのに違和感を覚えた観客は少なくないはず。
原作では英雄は35歳の設定だからその辺りの年齢のキャストでも良かったのではないかと思うし、そもそも大泉洋の持つ「溢れ出るポテンシャル」感は主人公英雄の「くすぶるポンコツ男」とは決定的に合わない。

このような「雑音」の数々によって、随所で魅せるZQNの素晴らしい活躍や、容赦ないGore描写、ほとばしる大量の血しぶきなどの「アガる」要素がことごとく打ち消されてしまうのは本当にもったいない。
そうしてすっかり冷めてしまった観客の目には、好物のはずの往年のZombie作品へのオマージュシーンすら、もはや単なる目配せにしか感じられなくなっていて、冷ご飯状態でトボトボと劇場をあとにするのだ。

…とは言え、グチグチと不満を込めつつもここまで4444文字(!)分の感想を書かせるだけのカロリーを持ち合わせている作品であることは間違い無いのだから、Zombieファンならぜひ一度ご覧になって、そして同じようにグチグチ文句を言うのが正しいZombieファン像かと思います。
あと、初デートにはきっと向かないのでご注意を。

(R.M)